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台湾烏龍茶: 正しいお茶の葉の摘み方を学ぼう

皆さんは、烏龍茶の葉を摘んだことがありますか?日本茶のお茶摘みなら経験したことがある!という方は多いと思います。一針三葉という言葉があるように、小さ目の芽を中心に葉は三枚まで摘む、ということですね。

烏龍茶も若い葉を使うのは同じですが、完熟度などが少し違います。私も、台湾に来るまで一度も烏龍茶の茶畑すら、まともに見たことがなかったので、初めて摘んだ時はとても新鮮でした。今回は、ちょっと細かいルールも含めて、私が烏龍茶の先生に教えて頂いた、烏龍茶の正しい摘み方を紹介したいと思います。

まず、こちらが烏龍茶の茶畑。こちらは高山地帯のものなので、急斜面に植えられています。これもよくある誤解の一つなのですが台湾烏龍茶は高度が高い程良い、というわけでは決してありません。日本だと、平地の畑は陽の光が強すぎて葉が大きく成長しすぎて固くなってしまいます。ですので、しっかり加熱して葉を柔らかくする深蒸し茶にせざるを得ないという理由から、浅蒸しのお茶ほどもとの葉が柔らかく美味しいという風潮があるため、日本茶は山で作られたものが高級茶になりがちですね。

台湾茶は柔らかい新芽を必要としませんし、高山地帯だと朝露などが付いてしまい、逆に美味しくなくなることすらあるので注意が必要です。


茶摘みの時間

まず、葉を摘む時間も重要です。朝から夕方まで摘み続けている生産者もいますが、実は全くの間違いです。一番茶摘みに適した時間はお昼の13時から15時まで。この時間が一番太陽が高く、葉の中の水分が少ない時間帯です。茶葉は日に当たった際に、葉の中の水分が多すぎると乾燥させる段階で逆に焦げてしまうのだそうです。逆に気温が高ければ、葉の中の水分は茎のほうへ下りていきます。つまり、葉の水分が少なく、広げて天日干しする際に焦げ付かないのです。

朝から摘み続けている農家が多いのは、実は労働者の賃金が摘んだ葉の量で決まるため。たくさん摘めば摘むほど、労働者の対価は増えるのです。そのため、葉の水分が多い時間から、つまり葉の状態が良くないときから長時間摘み続けているのです。

茎を長めに取るのも、同じ理由からです。茎を含めると同じ一回の摘む作業でより多くの収穫量を確保でき、賃金も増えるからです。しかし、茎の部分にも水分は多く含まれているため、茎を長く取ると、美味しいお茶はできないのです。

摘み方は、写真のように上から優しく親指と人差し指で挟むのが正解です。上に引き抜くのではなく、手首を返してぷちっと行きましょう。掴むようにクシャッと握ってちぎる人もいますが、確かにスピードは早いのですが、そうすると葉が傷みやすく、その後の水分量調節が難しくなりますので、この段階では傷を付けないよう優しく摘みます。

採って良い葉は、長く伸びた若い芽が入っていないこと、が条件ですので、若芽はできるだけ入らないようにして下さい。日本茶はこの若芽の部分が重要ですが、烏龍茶の場合は大きな完熟の葉が、より重要です。若い小さい芽はカフェインとカテキンが豊富に含まれ、糖質も少ないですので、烏龍茶には不向きです。写真のように、まだ芽が伸びておらず、その下の葉が二枚同じ大きさ(葉の面積)で成長している場合、完熟度が同じですので、この二枚の下で摘みます。茎は出来るだけ短くします。

こちらは、若芽を覗いて一枚目の葉の大きさが、二枚目の大きさの3分の2程度でしたら、さらにその下三枚目までの葉を摘みます。葉が大きくなり過ぎているのも問題で、葉が固く、水分が抜けにくいことと、揉む際に柔らかくなりにくく、発酵が進みにくいといった不具合があるからです。

長い芽を中心に選ぶ日本茶や紅茶とは全然違いますね。葉が完熟していて、でも成長しすぎていないという葉が最適、ということなんですね。

こちらの葉は芽が伸びすぎています。芽ではなく、ほぼ若い葉になってしまっているので、成長しすぎです。

そういう風に言うと、芽が出た一瞬を狙って摘まなければいけない気がしますが、そうではありません。一番上の芽は出たら、すぐにスルスルっと伸びるのではなく、その下の二枚目の若い葉が十分に成熟するまで、成長を待ちます。なぜなら、次から次へと芽を伸ばすことに栄養を使うより、一枚一枚丁寧に成長させた方が、木としてもしっかり光合成できますし、効率が良いのです。

こちらの二枚も芽が長すぎます。日本茶はこの伸びた芽を摘むことが必要で、実は紅茶も同じです。小さい細かい葉が必要なのだそうです。うーん、難しいですね、ただこの段階でしっかり選別しておかないと烏龍茶に関しては本当に美味しいお茶は出来ないのだそうです。手間も時間もかかるので、今はここまできっちり作っている茶農家は少ないのだそう。


まとめ

いかがでしたでしょうか。少し基準が分かりにくいかも知れませんが、実際畑に見に行って、作業されているお茶の葉を見ると、明らかに長過ぎる、というのがよく分かります。逆に、芽の短い良い葉を撮影していたりすると、茶摘み作業をされている方から「なんでそんな短い葉取ってるの、無駄でしょう。」と、言われたりします。製茶工場によっても、かなり基準が違うようですが、ぜひ、丁寧に選別された葉で出来た良い質のお茶を飲んでいただきたいです。甘みと舌に当たるときの水のまろやかさが全く違いますよ。美味しくないお茶は舌に乗せたときにピリピリとカテキンの刺激があります。たくさん飲んでも胃が痛くならないのが烏龍茶の良い点ですので、こうした苦味が全面に出るお茶は避けてください。

では、今回はここまで。お付き合い頂きありがとうございました。

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